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魚に関する「ことわざ」や「慣用句」の意味や由来を詳しく解説

鯛 ことわざ

海に囲まれた日本では、漁業が発展し、人々の暮らしと魚が密接に関わってきました。

そのため、日本には、古くから魚にまつわることわざや慣用句が数多く存在します。

また、魚のことわざには、単に魚の特徴を表すだけでなく、人生の教訓や社会の在り方を示すものも多くあります。

この記事では、魚に関することわざや慣用句を紹介し、その意味や由来を解説します。

魚に関することわざ・慣用句

魚一般に関することわざ・慣用句

  1. 「水を得た魚」
    本来の環境に戻り、生き生きと活躍できる状態を表すことわざです。魚が水中で自由に泳ぐように、人が得意な分野や環境で存分に力を発揮できることを意味します。また、適した環境でこそ能力が最大限に発揮されるため、自分にとって最良の環境を見つけることが大切です。
  2. 「逃がした魚は大きい」
    手に入らなかったものほど、後になって惜しく思えること。実際には大したことのない魚でも、逃がしてしまうと「もっと大きかったかも」と思ってしまう心理から。
  3. 「魚を得て水を忘る」
    目的を達成すると、恩を忘れること。魚が水中にいるときは水のありがたみを感じないように、目的を達成すると周囲の助けを忘れることから。
  4. 「漁夫(ぎょふ)の利」
    二者が争っている間に、第三者が利益を得ること。「戦国策」という中国の故事から、ハマグリをサギがついばもうとして争っている間に、漁師が両方を捕まえた話に由来。

鰯(いわし)に関することわざ・慣用句

鰯は庶民的な魚として、日本のことわざにも多く登場します。

古くから漁獲量が多く、庶民に親しまれてきた魚だからこそ、多くのことわざや表現に使われるのです。

  1. 「鰯の頭も信心から」 … どんなものでも信じる心があれば尊いものに見えるという意味。宗教や信念の力を示す例えとしてよく使われます。
  2. 「鰯の群れ」 … 小さな存在でも集まることで大きな力を持つことの例え。団結の大切さを表すことわざです。
  3. 「鰯を食べて鯛のつもり」 … 身の程をわきまえずに振る舞うことを意味します。

鯛(たい)に関することわざ・慣用句

鯛は日本で縁起の良い魚として知られ、多くのことわざに登場します。

祝い事や祭りなどでもよく見られる魚であり、格式の高い存在として扱われてきました。

  1. 「海老で鯛を釣る」 … 小さな労力で大きな利益を得ることの例え。商売や投資などにおいても使われます。
  2. 「腐っても鯛」 … 優れたものはたとえ落ちぶれても価値があるという意味。高貴な出自や才能が衰えないことを表します。
  3. 「鯛の尾より鰯の頭」 … 大きな組織で末端にいるよりも、小さな集団でリーダーとして振る舞うほうが良いことを示しています。
  4. 「鯛にしらす」… 鯛は高級魚の象徴であり、しらす(小魚)は安価な食材。高価なものに対して安価なものを比べること。

鯉(こい)に関することわざ・慣用句

勇敢に滝を登る姿から「出世魚」とも呼ばれる鯉は、古くから縁起の良い魚とされています。特に「鯉の滝登り」のように、努力や成功を象徴する表現が多いのが特徴です。

  1. 「鯉の滝登り」 … 努力によって成功をつかむこと。 鯉が滝を登る伝説から、困難を乗り越えて成し遂げることの象徴とされています。
  2. 「まな板の上の鯉」 … 自分の運命を他人に委ねるしかない状況。料理される前の鯉が、逃げられず無抵抗でいることから。
  3. 「鯉の背に乗る」 … 他人の成功に便乗すること。滝を登る鯉の背中に乗れば、楽に成功できるという発想から生まれた表現。
  4. 鯉の一跳ね」 … 最後の力を振り絞って大勝負に出ること。鯉は水面で勢いよく跳ねることがあり、そこから「一か八かの勝負」という意味が生まれた。

鰻(うなぎ)に関することわざ・慣用句

鰻は昔から日本人にとって特別な存在でした。

その独特の姿や動きから、「掴みどころがない」「上昇する」などのイメージが生まれました。

  1. 「鰻のぼり」 … 物事が急激に上昇すること。経済やビジネスの場面でよく用いられます。
  2. 「鰻の寝床」 … 間口が狭く、奥行きが長い家や場所のこと。鰻の細長い体に例えた表現。
  3. 「柳に鰻」 … しなやかで柔軟なもの同士で、まとまりがなく頼りないこと。柳は風になびいてしなる木であり、鰻もぬるぬると滑るため、どちらもつかみどころがないことから。

その他の魚に関することわざ・慣用句

  1. 「鮒(ふな)に始まり鮒に終わる」 … 何事も基本が大切であること。学びの大切さを示しています。
  2. 「鯖(さば)を読む」 … 実際の数よりもごまかして言うこと。昔、鯖は鮮度が落ちやすいため、市場で数を大まかに数えて売っていたことから。年齢や人数、数量のごまかしを表す言葉として使われます。
  3. 「鰹(かつお)の一本釣り」 … 一つの方法で効率よく成果を上げること。
  4. 「鮪(まぐろ)になる」 … じっとしていられないことを指します。
  5. 「蛸(たこ)足配線」 … 無計画に広がることの例え。
  6. 「金魚のフン 」… 誰かにくっついているだけで、自分の力で何もできないことを表します。金魚のフンがずっと金魚にくっついている様子から。
  7. 「メダカの学校」 … 小さな集団でも仲良く学ぶこと。

まとめ

ことわざの多くは、昔の人々が日常生活の中で経験し、学んだことから生まれました。

魚に関することわざにも、人生をより良く生きるための知恵が詰まっています。

たとえば、「水を得た魚」のように自分の適性を知り、「海老で鯛を釣る」ように賢く行動することで、より良い人生を送ることができます。

このように、日常生活の中で意識しながら使うことで、より豊かなコミュニケーションが可能になるでしょう。

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